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メタルフリー治療とは?金属を使うリスクを解説

2024年10月31日
  • 銀歯は体に悪いと聞いたことがある
  • メタルフリー治療が気になる
  • 口の中で銀歯が目立つのをどうにかしたい

このようなお悩みをお持ちではありませんか。一般的に虫歯の治療には銀歯が使われることが多いですが、最近は銀歯以外の金属を使わないメタルフリー治療が注目されています。そこで、この記事ではメタルフリー治療のメリット・デメリットを紹介します。

実は、多くの方の口の中にある銀歯は、お口と身体に悪い影響を与えている可能性もあります。そのため、当院では銀歯での治療にも対応はしているものの、メタルフリー治療を推奨しています。メタルフリー治療の流れも解説しているので、銀歯をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

日本では銀歯で治療されることが多い

日本では虫歯の治療として保険が適用されるので、銀歯が使われることが多いです。しかし、海外では実は異なる傾向にあります。銀歯に関する最新の情報を紹介します。

半数の人が銀歯を保有している

スリーエムヘルスケア株式会社の調査(20代~60代の男女20,000人を対象)によると、全体での銀歯の保有率は71.2%でした。一番銀歯の保有率が高い世代は40代で79.7%です。10年を超えて虫歯を保有している人は全体で41.6%で、長期的に銀歯を使っている人も多い結果となりました。
銀歯で治療をおこなった理由としては、「銀歯以外の治療方法をすすめられなかったから」が最多で61.4%でした。次に多い理由が「保険適用外の治療費を払いたくなかったから」で、なるべく安く虫歯治療をしたい方が多いこともわかりました。

海外では銀歯の使用が禁止されている国も

一方、歯科医療先進国のドイツでは銀歯の使用を全面禁止、スウェーデンでは小児や妊婦の使用禁止が定められています。銀歯を使うことで、銀歯の下にさらに虫歯ができてしまう二次カリエスになりやすく、口の中で腐食した金属によって金属アレルギーを発症する可能性があるからです。
詳しくは次の記事をご覧ください。

関連記事:実は危ない銀歯のリスク・デメリット

メタルフリー治療とは

そこで、日本でも最近注目されているのがメタルフリー治療です。メタルフリー治療とは、金属素材を使わずに虫歯治療をおこなうことです。メタルフリー治療のメリットとデメリットを紹介します。

メタルフリー治療のメリット

メタルフリー治療のメリット

金属アレルギーの心配がない

1つ目は、金属アレルギーの心配がないことです。メタルフリー治療をすることで口の中から金属を除去し、体内に取り込まれる金属をなくすことができます。金属アレルギーになると、口では口内炎や口唇炎、全身ではアトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症などの症状が出ます。アレルギー体質の方で、全身の皮膚炎がなかなか治りにくいという場合は、一度銀歯の状態を確認することをおすすめします。

歯茎の色素沈着(メタルタトゥー)の心配がない

2つ目は、歯茎の色素沈着の心配がないことです。銀歯から溶けだした金属イオンによって歯茎が黒く変色してしまうことをメタルタトゥーと呼びます。メタルタトゥーができてしまった場合、レーザーや薬剤を使ったり、歯肉を削ったりして治療をします。しかし、歯茎の奥深くまで金属イオンが浸透してしまうと、完全に色を消すことは困難です。メタルタトゥーを予防するためには、金属を使わないメタルフリー治療がおすすめです。

治療した後に虫歯が再発しにくい

3つ目は、治療した後に虫歯が再発しにくいことです。銀歯は噛むことによって変形しやすいので、段々歯と銀歯の間に隙間ができて、そこに虫歯ができる二次カリエスになりやすいです。一方、メタルフリー治療に使われる素材は、金属よりも変形しにくく長期的に使用できるため、歯との隙間ができず虫歯が再発しにくくなります。

見た目が良い

4つ目は、見た目が良いことです。銀歯が白い歯の中にあると、虫歯があったことが目立ってしまいます。一方、メタルフリー治療に使われる素材は歯の色に似せて作られることが多いため、虫歯の治療跡が目立ちにくくなります。銀歯があることをコンプレックスに感じているのであれば、メタルフリー治療がおすすめです。

メタルフリー治療のデメリット

一方、メタルフリー治療にもデメリットがあります。

素材によっては保険診療の適用外で価格が高い

メタルフリー治療に使用される素材の多くは、保険診療の適用外のため、保険適用される銀歯よりも治療費が高くなります。しかし、メリットで紹介したように、銀歯は変形しやすく、金属アレルギー・メタルタトゥー・虫歯の再発などのリスクが高いです。そのため、長期的に使用できるメタルフリー治療のほうが、長い目で見ればコスパが良い可能性も高いです。また、最近ではメタルフリー治療の中にも保険適用される素材があるため、一度歯医者でメタルフリー治療ができないのか相談してみてください。

メタルフリー治療にはセラミックがおすすめ

メタルフリー治療を希望する場合、金属の代わりにセラミックがおすすめです。セラミックの種類とセラミックでメタルフリー治療をする流れを解説します。

セラミックの種類

セラミックとはお皿にも使われている陶器の素材のことです。セラミックの中でも様々な種類があるので、紹介します。

オールセラミック

オールセラミックは、セラミック100%でできています。表面がつるっとしているので、虫歯になりにくく着色汚れも気になりにくいという特徴があります。自分の元々の歯の色に合わせた色を作ることができるので、見た目にこだわりたい方や前歯など目立つ場所に使用する場合におすすめです。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、セラミックとプラスチックを混ぜてできています。セラミックの中では安い費用で治療ができる点がメリットです。ただし、プラスチックが混ざっているので、セラミックよりも耐久性が少し落ち、着色汚れが付きやすいので、長期間使用すると審美性が落ちてしまうこともあります。

e-max(イーマックス)

e-maxは、ガラスセラミックを強化した素材です。ガラスという名が付くとおり、ガラスのように透き通っているので、審美性を追求したい方におすすめします。天然の歯と同じくらいの強度があり、ジルコニアセラミックよりは弱いです。

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックは、セラミックの中でも一番硬度が高い素材で、人工ダイヤモンドとも呼ばれています。セラミックは強い衝撃が加わると割れてしまうという欠点があり、奥歯には使用しにくいとされていましたが、ジルコニアセラミックであれば奥歯の噛む力にも耐えることができます。しかし、硬度が高いデメリットとしては、ジルコニアセラミックと噛み合わせる自分の元の歯が欠けたり割れたりしてしまうリスクがあります。また、オールセラミックやe-maxよりは透明感が少なく、審美性は少し落ちます。

セラミックを使ってメタルフリー治療をする流れ

しろくま医院で、セラミックを使ってメタルフリー治療をする場合の流れを紹介します。

①現在の口の中の状態を確認する

まずは、現在の口の中の状態を確認し、問題がある場所を特定します。既に詰めている金属の状態を確認し、劣化しているかどうかを判断します。患者様の希望や予算に合わせて、適切な素材や方法を提案させていただきます。

②金属の詰め物を外す

メタルフリー治療をおこなうために、現在口の中にある金属の詰め物を外します。銀歯の下に虫歯ができていることも多いため、必要があれば治療をおこないます。

②型取りをして仮ふたをする

歯の型取りをして、最終的な被せ物・詰め物ができるまで仮ふたを装着します。この時に噛み合わせを確認します。最終的な被せ物・詰め物ができるまでは2週間ほどかかります(本数や素材にもよる)。

④噛み合わせの癖を確認してから最終的な被せ物・詰め物を装着する

仮ふたを外し、最終的な被せ物・詰め物を仮ではめこんで最終確認をおこないます。確認してOKならセラミックを装着して完成です。セラミックは耐久性が高い素材ですが、口全体に異常がないか確認するためにも、定期的に検査をし、長く使えるようにメンテナンスをしましょう。

関連記事:しろくま歯科医院のセラミック治療の症例実績

メタルフリー治療をご希望されるならしろくま歯科医院にご相談ください

メタルフリー治療とは、日本で一般的に使われている銀歯から、金属を使わないセラミックなどの素材に変える治療方法です。保険適用される銀歯は安いですが、虫歯の再発・金属アレルギー・メタルタトゥーなどのリスクがあるため、メタルフリー治療を希望される方が増えています。

メタルフリー治療によく使われるセラミックは保険適用外で高価なものが多いですが、虫歯の再発リスクが低く、変形や変色しにくいため、長期的に見れば銀歯を入れるよりもコスパが良く、健康を守ることができます。
しろくま医院では、既に入っている銀歯の状態を確認し、患者様一人一人に合わせたメタルフリー治療をご提案させていただきます。

関連記事:銀歯を白いセラミックに交換する方法

少しでも銀歯の状態が気になる場合や、メタルフリー治療に興味がある場合は、お気軽にご相談ください。