入れ歯がしゃべっている時や食事中に外れやすいとお困りではないでしょうか。「入れ歯は外れやすい」「多少の不快感があってもしょうがない」と合わない入れ歯を使い続けていませんか。
外れやすい入れ歯を使い続けてしまうと、歯だけでなくあごや顔の形にも影響を与えてしまうことがあります。そこで、この記事では入れ歯が外れる原因や外れやすい入れ歯を使い続けた時の影響について解説します。
結論としては、入れ歯が外れやすいと感じたら歯医者で原因の特定をしてもらうことがおすすめです。また、入れ歯にはいくつか種類があり、外れにくい入れ歯も増えています。ぜひ希望や予算を歯医者で相談する時の参考にしてください。
入れ歯が外れる原因とは
入れ歯は上あごや下あごに吸着させて固定しますが、しゃべっている時や食事をしている時に外れてしまうことがあります。なぜ入れ歯が外れてしまうのか、原因を5つ紹介します。
①金具が緩んでいる
1つ目は、金具が緩んでいるからです。部分入れ歯の場合、「クラスプ」という金具を正常な歯に引っ掛けて入れ歯を固定します。このクラスプが長期間使用し何度も着脱を繰り返すうちに緩んでしまうことがあります。また、食事や外からの圧力によっても変形することがあります。保険の入れ歯を入れる時、指で奥までしっかり押し込まず、浮いた状態で、入れ歯を噛み込んで入れると、金属のクラスプという針金の部分がすぐ変形して折れます。
②入れ歯の下の歯茎や周囲の歯の状態が変わった
2つ目は、入れ歯の下の歯茎や周囲の歯の状態が変わったからです。入れ歯をはめる歯茎がやせてしまったり、クラスプを引っ掛ける歯がぐらついたりすると、入れ歯は安定しません。入れ歯を作った当初は入れ歯がフィットしていても、歯が抜けた後の歯茎はどんどんやせ衰えてしまうので、時間と共に入れ歯がフィットしにくくなります。また、クラスプを引っ掛けている歯自体が虫歯になったりグラグラしたりしていると、入れ歯が外れやすくなります。
③噛み合わせが悪い
3つ目は、噛み合わせが悪いからです。入れ歯が口にフィットしていたとしても、噛み合わせが悪いと口を動かした時に外れやすくなります。入れ歯を作る時に噛み合わせをしっかりと診てもらいましょう。
④入れ歯の変形やすり減り
4つ目は、入れ歯の変形やすり減りがあるからです。入れ歯は使用していくうちに、変形やすり減ることがあります。特に噛む力が強い奥歯はすり減りやすいといわれています。また、入れ歯を無理やり外したり、日々のお手入れをサボってしまったりすると、入れ歯の状態が悪くなるため、日ごろから丁寧に入れ歯を取り扱うようにしてください。
⑤唾液の減少
5つ目は、唾液が減少したからです。唾液は入れ歯を吸着させるために必要なので、唾液が少ないと入れ歯が外れやすくなります。唾液が少なくなる原因としては、加齢や薬の副作用などが考えられます。
外れやすい入れ歯を使い続けてしまうと…
「入れ歯が外れやすいのが当たり前だから、どうせ調整してもそんなに変わらないだろう」と外れやすい入れ歯を使い続けていませんか。実は、外れやすい入れ歯を使い続けるデメリットがあります。思い当たることがないか確認してみてください
口の粘膜に傷がつく
保険の入れ歯は外れやすく口の中で固定されず、少しのことでずれて口の中の粘膜を傷つけてしまいます。入れ歯が当たることによってできた傷で口内炎ができることを義歯性口内炎と呼び、口内炎の痛みで入れ歯を入れることが苦痛になっていませんか。義歯性口内炎は薬では治りづらく、入れ歯を調整したり新しくしたりすることで根本的に解決しましょう。
保険の入れ歯は周囲の歯に負担をかける
保険の部分入れ歯の場合、周囲の歯に金属の金具(クラスプ)を引っ掛けて固定します。正常な部分入れ歯の場合でも、周囲の歯には少なからずの負担をかけていますが、外れやすい入れ歯だとさらに大きな負担がかかります。残っている自分の歯を長く使うためには、外れやすい保険の入れ歯を使い続けるのは推奨できません。
顎関節症になりやすい
外れやすい入れ歯を使い続けると、噛み合わせが悪くなり片側のあごに負担がかかることがあります。顎関節にバランスの悪い力がかかると、顎関節症になりやすくなります。入れ歯の不具合は口の中だけでなく、体全体のバランスを悪くする原因となりやすいので注意してください。
あごの骨が痩せやすくなる
健康な歯や合っている入れ歯を使っていれば、正しく噛むことができあごの骨が維持されます。一方、外れやすい入れ歯や弱くしか噛めない状態だと、あごの骨がどんどん痩せてしまいます。あごの骨が痩せてしまうと、顔の形が変わったり噛む力がどんどん弱くなってしまいます。
入れ歯が外れやすい場合の対処方法
入れ歯が外れやすくて悩んでいる場合、どのような対処方法があるのでしょうか。まずは歯医者に相談しに行くことをおすすめします。歯医者でどのような提案がされるのかを紹介します。
入れ歯を修理する
まずは、現在使用している入れ歯を修理することができないかを確認します。入れ歯と現在の歯の状態を確認し、なぜ外れやすいのかの原因を特定します。例えば、入れ歯の下の歯茎が痩せてしまった場合は、入れ歯の内側に材料を足してフィットするように調整します。
インプラント治療をする
入れ歯を入れること自体を変えたい場合は、インプラント治療という選択肢もあります。入れ歯はどうしても長期間使用すると摩耗や変形してしまうので、長期的に使用できるインプラントを選ぶ患者様も増えています。
インプラントはあごの骨に直接埋め込む方法です。インプラント治療をするためには外科手術が必要で、治療費が高額となり、治療期間も半年以上かかります。その他にもデメリットがあり、次の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:インプラント治療の問題点・リスク
入れ歯を作り直す
入れ歯を修理しても外れにくくすることが難しく、インプラント治療もしないのであれば、入れ歯を作り直す必要があります。今までの入れ歯と同じ方法で作り直すことも可能ですが、入れ歯が外れやすいと悩んでいるのであれば、別の方法で作成する入れ歯を検討してみてはいかがでしょうか。
ここからは入れ歯の種類について詳しく解説していきます。
保険適用の入れ歯と保険適用外の入れ歯の違い
入れ歯が外れやすくて悩んでいる場合、どのような対処方法があるのでしょうか。まずは歯医者に相談しに行くことをおすすめします。歯医者でどのような提案がされるのかを紹介します。
入れ歯には保険が適用される場合と、保険が適用されない場合があります。
保険が適用される入れ歯のメリットは、安く作れることです。一方、デメリットは劣化しやすく装着感もよくないことです。部分入れ歯の場合は、金属のクラスプというパーツを付けて他の歯に引っ掛けて固定します。そのため、保険の入れ歯は見た目が不自然で入れ歯と気付かれやすいだけでなく、口の中での異物感が強く、「痛い」「外れる」「合わない」といったトラブルを引き起こしやすいです。
一方、保険適用外の入れ歯は、保険が適用されないので治療費が高くなってしまうというデメリットはあります。しかし、保険適用外の入れ歯は丈夫で噛みやすく装着する時の違和感が少ないため、入れ歯が外れやすいと悩んでいる方におすすめです。保険適用外の入れ歯にはクラスプを金属ではなくポリアミド系のナイロンにでき、総入れ歯ではアクリルレジンではなく金属を使って作成することができます。そのほか、口の状態に合わせて適切な入れ歯を作成することができるので、予算や悩みを歯医者に伝えて自分に合っている入れ歯を長く使用してみてはいかがでしょうか。
入れ歯だと目立ちにくいバルプラストがおすすめ
入れ歯の中でも一目で入れ歯だとはわかりにくいバルプラスト(ノンクラスプ義歯・金具の無い入れ歯)という種類の入れ歯があります。バルプラストとは、フレキシブル義歯とも呼ばれ、従来の入れ歯にある金属の連結部分やばね(クラスプ)がない入れ歯です。
関連記事:ノンクラスプ義歯・金具の無い入れ歯とは?
保険の入れ歯よりも割れないため、厚さが数分の一になり痛みがでにくく、耐久性もかなり高く、長く快適に過ごすことができます。
また、金属を使わないので金属アレルギーの心配がありません。クラスプがないので、金属が見えて入れ歯であると周りにバレることが少なく、入れ歯の境目がほとんどわからないことも選ばれている理由の1つです。
関連記事:当院で行ったバルプラスト(ノンクラスプ義歯)の症例一覧
入れ歯が外れやすいとお困りならしろくま医院へご相談ください
入れ歯が外れやすい場合は、まず歯医者に行って原因を確認してもらいましょう。入れ歯自体の変形や摩耗のほかに、入れ歯の周りの歯や歯茎の状態の変化・口の環境の変化などが外れやすい原因として考えられます。
歯医者で現在使っている入れ歯を修理して使っていくことも可能ですが、保険適用される入れ歯のほとんどが装着性や審美性が悪いことから、患者様の入れ歯に対する不満が大きくなりがちです。そのため、保険適用外にはなりますが、より装着性や審美性に優れた入れ歯に作り替えることを検討してみてはいかがでしょうか。
しろくま医院では、保険適用の入れ歯だけでなく、バルプラストと呼ばれる金属の連結部分がなく装着性が良く耐久性の高い入れ歯をおすすめしています。ぜひ現在の入れ歯が外れやすくて悩んでいる場合は、お気軽に当院までご相談ください。
他の歯医者で作成した入れ歯でも対応は可能です。ご希望や予算に合わせて、患者様一人一人にあった治療方法を提案させていただきます。