銀歯で熱いものや冷たいものがしみて、辛いと感じる人も多いのではないでしょうか。
実は、銀歯は治療後すぐにしみるケースと、治療してから時間が経っている場合でしみるのでは原因が異なります。
治療したばかりの銀歯がしみる場合は、治療により神経が過敏になっていることが原因のことが多いので、2日~3日、遅くとも2週間~3週間ほどで回復します。
しかし、しばらくしてもしみる、治療から時間が経っているのにしみ出したという場合は、虫歯や知覚過敏などの別の病気が考えられるので、早めの歯科医院受診が必要です。
そこで、今回は銀歯がしみる原因と、対処法や治療法を具体的に解説します。
銀歯がしみる原因は治療から経過した時間で異なる

銀歯がしみる原因は「治療したばかり」「虫歯治療から数年経っている」かによって、大きく異なります。
治療したばかりの銀歯がしみる場合は、神経が過敏になっている、刺激を感じやすいなど、時間の経過とともに症状が改善することが多いです。
一方で、虫歯治療から数年経っている銀歯では、銀歯の下の歯で虫歯が進行している、知覚過敏などが考えられ、治療が必要となるのでなるべく早い受診が必要になります。
関連記事:実は危ない銀歯のリスクとは?自費セラミックとの違い
治療したばかりの銀歯がしみる原因

治療したばかりの銀歯がしみる原因は、治療で刺激された歯の神経や慣れない銀歯の装着感でしみると感じることがほとんどです。
治療から時間が経過すればしみづらくなることが多いですが、2週間~3週間様子を見ても銀歯がしみる場合は歯科医院を受診することをおすすめします。
神経が過敏になっている
銀歯を装着して間もない場合、歯を削ったダメージから神経が過敏になって、銀歯がしみると感じやすいです。
歯の表面は硬いエナメル質という材質で覆われていますが、内側の象牙質と呼ばれる部分は強度が弱く、歯を削るという大きな刺激によって炎症を起こして神経が過敏になってしまうのです。
通常であれば、時間が経過するとともに刺激から守るための組織が形成されてしみにくくなってきます。
通常の歯より熱伝導が良いので刺激を感じやすい
銀歯は熱伝導率がいい材質で作られているので、冷たいもの・温かいものを口にすることで神経に刺激を伝えやすく銀歯がしみると感じることもあります。
銀歯の素材である「銀」は、熱伝導率が最も高く、食べ物・飲み物などの温度を内部の神経に伝えてしみるという感覚を覚えるのです。
補足:
熱伝導率は「銀→銅→アルミニウム→鉄→チタン→ステンレス→自費セラミック(陶器)」の順番で高くなります。
治療のあとに冷たいものや温かいものを食べて刺激を感じた場合は、アイスクリームやおでんなどを控え、適切な温度にしてから食べるとしみるのを防ぐことができます。
なお、治療で過敏になっている神経が回復するとしみにくくなります。
神経が弱っている
治療の刺激によって、神経が耐えきれずに弱くなることで、銀歯がしみると感じやすくなります。
最近の歯科治療ではなるべく歯を残すような治療が主流で、同時に回復の見込みのある神経も残すことが増えています。
ただし、なかには神経が思ったより回復せずに弱った神経が刺激を受けることで、しみる場合もあるので注意が必要です。
一定時間を置いてもしみる、またしみるから痛みに変わるなどの症状が出た場合は、歯科医院に相談してみると良いでしょう。
治療してから時間が経っている銀歯がしみる原因

銀歯治療から1年以上経過しているなど、時間が経っている場合に銀歯がしみるときは、虫歯や知覚過敏など、ほかの原因でしみていることが多く、早めに受診が必要になります。
それでは、治療してから時間が経っているときに、銀歯がしみる原因について見ていきましょう。
銀歯の奥で虫歯が進行している
銀歯を治療してから時間が経っている場合、虫歯が進行して歯がしみることがあります。
銀歯は時間が経つことで歯と歯の間に小さなすき間ができやすく、歯垢が溜まることで銀歯の下で虫歯が進行していることも少なくありません。
また、通常の虫歯と比べて銀歯で覆いかぶさっているので、虫歯に気づくのが遅れて悪化することが多いです。
虫歯が進行することで歯が溶けて神経がむき出しになり、冷たいものや熱いもの、噛む刺激が届きやすく、銀歯がしみやすくなるのです。
知覚過敏
知覚過敏が理由で、銀歯の入っている歯がしみるという感覚になることもあります。
知覚過敏とは、歯の内側の象牙質の露出やエナメル質が薄くなった部分があることで、刺激を受けやすくなっている状態のことです。
知覚過敏になる原因は、歯磨きで強く磨く、歯周病による歯ぐきの痩せなどがありますが、共通するのは歯の根っこが露出していることが主な理由です。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしり・食いしばりを日常的にしている場合、銀歯の根本が削れることでしみることがあります。
歯ぎしり・食いしばりは歯の根元が削れるため、通常の歯よりも強度が強い銀歯をしている歯でもしみることも。
とくに、歯ぎしりでは、無意識や寝ているときなど、気づかぬうちに習慣化しているので、銀歯表面に傷がついたりヒビが入ることで、銀歯自体の寿命を縮めることもあるので注意が必要です。
銀歯がしみる場合の対処法

銀歯がしみる場合の対処法は、治療後すぐなら2日~3日ほど様子見、治療してから1年以上経過しているならすぐに歯科医院の受診が必要です。
それぞれのケースごとに、具体的な対処法を見ていきましょう。
治療後すぐなら2週間ほど様子を見る
銀歯の治療をしてからすぐなら、2週間ほどは経過観察してみてください。
歯を削ったあとの刺激で神経が敏感になっている場合は軽度で2日~3日ほど、深く削った歯の神経が再生されるには2週間~3週間しみることもあります。
この期間には、冷たいものや熱いもの、辛いものなど、歯に刺激の強い食べ物を避けることをおすすめします。
歯科医院に来院するまで時間がかかる場合で、痛みが出てきたなら一時的に市販の痛み止めを服用するのも良いでしょう。
ただし、治療から2週間以上経過しても症状が変わらない場合は、神経が炎症を起こしている可能性があるので、一度歯科医院を受診して歯の様子を確認してもらいましょう。
治療から時間が経っているならすぐに歯科医院を受診する
治療後すぐの銀歯がしみる場合は経過観察で良いですが、治療から1年以上経過している銀歯がしみるなら、なるべく早い歯科医院の受診が必要です。
治療から1年以上経過している銀歯がしみる場合、虫歯や知覚過敏など、治療が必要なケースが考えられます。
虫歯や知覚過敏は自然治癒しないため、治療が遅くなるほど症状が悪化して痛みを伴うこともあるので注意が必要です。
銀歯に異常があってしみる場合の治療法

銀歯に何かしらの異常があってしみるケースでは、適切な治療を行う必要があります。
虫歯、知覚過敏、歯ぎしり・食いしばりの原因別に、治療方法を具体的に解説します。
虫歯:虫歯治療を行う
銀歯の下に虫歯があるケースでは、被せた銀歯を外して虫歯の原因を取り除く治療を行います。
まず、レントゲン写真で虫歯とわかった場合は、銀歯を取り外して虫歯を除去する治療が必要です。
なお、神経がむき出しになるほど虫歯が進行しているのであれば、神経を取る根管治療も同時に行うこともあります。
歯の神経を抜くとしみなくなる一方で、歯の色の変化や寿命を短くするデメリットもあるため、歯科医師と相談のうえ治療を進めることをおすすめします。
知覚過敏:歯の根の露出部分の治療を行う
知覚過敏は歯周病が進行した状態で起こるため、知覚過敏の場合では歯周病治療がメインとなります。
歯周病が進行すると、歯ぐきが下がることで歯の内側にある象牙質が露出することで、知覚過敏のしみるという症状が起こるのです。
歯周病の主な原因は歯石や歯垢で、専門の器具を使って除去するうえで正しい歯ブラシを行うことで治療します。
歯石は歯磨きだけで取り除くことはできないため、銀歯の根部分がしみると感じた場合は歯科医院で治療を行いましょう。
歯ぎしり・食いしばり:マウスピースを使用する
歯ぎしりや食いしばりが原因で銀歯がしみるケースでは、マウスピースを使用して銀歯や歯を守る治療を行います。
ほかの材質と比べても耐久性の高い銀歯ですが、日常的にギリギリと歯を擦る習慣があると、自然と歯がすり減って歯の根元が削れてしまいます。特に食いしばりでは、ギリギリ音が鳴らずに 家族にも気づかれません。ご自身も自覚が無く、ジワジワと悪くなっていきます。
削れた部分には冷たいものや熱いものがしみやすいので、歯ぎしり・食いしばりといって放置するのは危険です。
歯ぎしり・食いしばりが多い人は、専用のマウスピースを作成して着用することで、歯にかかる負担を軽減して銀歯を守ることができます。
銀歯がしみる場合は自費セラミックへの変更がおすすめ

銀歯がしみることで困っている場合は、思い切って自費セラミックの歯に変更するのがおすすめです。
実は、銀歯は「二次虫歯」と呼ばれる、治療後の銀歯の下が再度虫歯になる可能性が高いのです。
自費セラミックは、天然歯と遜色ない色や透明感、つやなどが特徴で、見た目の美しさにこだわりたい人から人気の治療方法です。
あまり注目されていないことですが、自費セラミックは最も熱伝導率が低い材質のため、冷たさや熱さによる刺激や痛みが起きにくいのが特徴です。
関連記事:歯科治療で使う自費セラミック・プラスチックの違いとは?
また、見た目や耐久性以外にも、表面が滑らかなので汚れが付きにくく、経年劣化もしづらいので、将来の虫歯の可能性も下がると、メリットが多い治療法と言えます。
銀 | 自費セラミック | |
---|---|---|
画像 | ![]() | ![]() |
見た目 | ×(銀色で目立つ) | 〇(歯の色に限りなく近く、変色などの経年劣化がほとんど無い) |
耐久性 | 変形しやすい | ごく稀に強い衝撃で割れることもある |
値段 | 保険診療 | 自由診療 |
寿命 | 3~5年 | 10~15年 |
その他の特徴 | ・経年劣化により変形しやすく虫歯の再発リスクも高くなる | ・虫歯が再発しにくい ・プラーク(歯垢)が付きにくい ・経年劣化に強い |
自費セラミック歯銀歯と比べて治療費用が高いものの、機能性・審美性が高く長持ちするため、長期的な目で見ると非常にコストパフォーマンスの良い治療法です。
ご自身に合う治療法かどうか、信頼できる歯科医院で相談することをおすすめします。
銀歯がしみて困っている方は、しろくま歯科医院に自費セラミック治療をご相談ください。
しろくま歯科医院の自費セラミック治療では「イメージと違った」とならないために、治療前に丁寧なカウンセリングを行っています。
カウンセリングの段階で、お悩みやニーズをくみ取った上で、本当に必要な治療をご提案しているので、納得せずに治療するという不安がありません。
虫歯治療で銀歯を使うこともありますが、虫歯再発リスクや金属アレルギーの不安がある人には自費セラミックのほうが向いていると言えるでしょう。
また、自費セラミックといっても、種類や内容により費用が変動するので、治療費で迷っている人もお気軽に相談してみてください。
関連記事:銀歯を自費セラミックに交換するメリット
▼各SNSで最新情報を更新しております。