食事をしている時に銀歯や詰め物が取れてしまったという経験をしたことはありませんか。銀歯が取れてしまった場合、どのように対処すればいいのか分からないと、歯の状態を悪くしてしまうことも考えられます。そこで、この記事では銀歯が取れてしまった時の対処方法を紹介します。
結論としては、なるべく早く歯医者で治療をすることが一番大切です。また、銀歯が取れてしまった時によくある質問にも回答していますので、銀歯が取れて困っている方はぜひ参考にしてください。
銀歯が取れた時の対処法
銀歯が取れてしまった時の対処法を紹介します。
なるべく早く歯医者に行く
銀歯が取れてしまった場合、歯医者で治療する必要があります。銀歯が取れてから2週間以内くらいには必ず歯医者に行きましょう。左右の歯が倒れたり、噛み合わせが合わなくなる為、使えなくなります。銀歯が取れてしまったなど緊急の場合は、優先的に予約ができることもあります。
取れた銀歯や詰め物はとっておく
取れてしまった銀歯や詰め物は、もう一度消毒をして使うこともあります。取れた銀歯を捨てずに、歯医者に持って行きましょう。取れた銀歯はポリ袋や小さな容器に入れて、変形しないようにしてください。
口の中を清潔に保つ
銀歯や詰め物が取れてしまったところは、汚れが溜まっていたり再び虫歯になっていたりします。銀歯が取れた部分は空洞になっているので、さらに汚れが溜まりやすくなります。歯医者に行って治療してもらうまでに悪化しないように、歯磨きやうがいで口の中を清潔に保ちましょう。
銀歯が取れてしまう理由
銀歯が取れてしまう理由は次のとおりです。
- 銀歯の劣化
- 銀歯と歯を接着しているセメントの劣化
- 銀歯の下で虫歯が進行し隙間ができた
- 歯ぎしりや食いしばりによる銀歯の変形
また、キャラメルやガムなど粘着質な食べ物をかんだ時に、取れかかっていた銀歯が取れてしまうということも多いです。
銀歯が取れた時に歯医者で行う治療
銀歯が取れてしまった時に、歯医者ではどのような治療を行うのでしょうか。主な3つの治療方法を紹介します。
取れた銀歯を再び付ける
銀歯に変形や異常がなく、外れたところの歯にも虫歯や欠けなどの異常がなければ、取れた銀歯を消毒して再利用します。治療に必要な通院は1~2回で、早く治療が完了することが多いです。ただし、銀歯自体が劣化していたり、ぴたりと元に戻らなかったりする場合は、次に説明する方法での治療となります。
新しく銀歯を作り直す
銀歯と歯の間で再び虫歯ができてしまった場合は、銀歯を再装着する前に虫歯の治療をします。虫歯の治療をした後に、型を取り直して再び銀歯を作成する必要があります。その他、歯ぎしりや食いしばりで銀歯がすり減ってしまった場合も、再度銀歯を作り直すことになります。歯ぎしりがひどい場合は、歯の摩耗を防ぐために夜間に装着するマウスピースを作るという対処方法もあります。虫歯の進行具合によりますが、治療に2~3回の通院が必要です。
銀歯以外の方法で歯を詰める
銀歯は保険適用で安い虫歯の治療方法として利用されていますが、虫歯が再発しやすく取れてしまうというトラブルも少なくありません。そこで、銀歯が取れて新しく作り直す時に、銀歯以外の方法で治療を行うこともおすすめです。中でもオススメなのが後術する自費セラミックです。
銀歯と自費セラミックを比較
銀 | 自費セラミック | |
画像 | ||
---|---|---|
見た目 | ×(銀色で目立つ) | 〇(歯の色に限りなく近く、変色などの経年劣化がほとんど無い) |
耐久性 | 変形しやすい | ごく稀に強い衝撃で割れることもある |
値段 | 保険診療 | 自由診療 |
寿命 | 3~5年 | 10~15年 |
その他の特長 | ・経年劣化により変形しやすく虫歯の再発 ・リスクも高くなる |
・虫歯が再発しにくい ・プラーク(歯垢)が付きにくい ・経年劣化に強い |
銀歯は保険診療で安く済みますが、耐久年数が3~5年と短く、見た目にも影響が出ます。
一方、自費セラミックは自由診療なので費用が高いですが、天然歯と遜色ない見た目で目立ちにくく、汚れが付着しにくく変形もしにくい素材なので、長期的な視点で見ると費用の節約に繋がるという考え方もあります。
銀歯が取れた時によくある質問
銀歯が取れた時によくある質問に回答します。
銀歯が取れた時に違う歯医者に行ってもいい?
銀歯が取れてしまった時は、なるべく早く歯医者で治療をすることが大切です。そのために、いつも通っている歯医者以外に行くことも問題ありません。ただし、一度治療したことがある歯医者に行く方が、経過を把握しているので治療に時間がかからないこともあります。一度かかりつけの歯医者に銀歯が取れてしまったことを連絡し、すぐに治療してもらえないか相談してみてください。
銀歯を自分で付けることはできる?
銀歯は自分で付けることはできません。仮にうまくはまったとしても、噛み合わせがうまくいかないと、銀歯が変形したり、歯がかけたり折れたりしてしまう可能性が高いです。歯医者での治療が大幅に増えることになるので、自分で付けずに早めに歯医者に行きましょう。
取れた銀歯を飲み込んでしまったけれど大丈夫?
歯科の治療で使われるものは、間違えて食べてしまっても人体に影響のない素材で作られていることがほとんどです。飲み込んでしまった銀歯や詰め物はほとんどの場合、そのまま排泄されます。万が一銀歯を飲み込んで、喉や胃に違和感がある場合は内科を受診してください。
銀歯が取れた部分が黒いのはなぜ?
銀歯が取れた後の歯が黒い場合、再度虫歯になっている可能性があります。銀歯が取れたのも、虫歯ができたことが原因かもしれません。もしくは、銀歯が酸化や硫化することで、銀歯の成分が歯に付着していることも考えられます。
銀歯が取れた時に食事で注意することはある?
銀歯が取れた部分の歯は弱くなっているので、できるだけ反対側の歯で食事をするようにしましょう。熱いものや冷たいものは刺激になるので、避けることをおすすめします。
銀歯以外での虫歯治療とは
銀歯が取れてしまったことを機に、他の方法で治療をしたいと感じている方もいらっしゃるでしょう。そこで、銀歯で治療をすることのデメリットと他の素材での治療方法について紹介します。
銀歯のデメリット
銀歯のデメリットは4つです。
- 銀歯の下の歯が虫歯になりやすい:銀歯は噛む力によって変形しやすく、変形によってできた隙間に汚れが溜まり虫歯に再度なりやすいというデメリットがあります。
- 見た目が目立つ:銀歯は白い歯の中にあるととても目立ち、一目で虫歯の治療をしたことが分かってしまいます。
- 変形しやすく寿命は3~5年:銀を含む金属は割れにくいですが、変形しやすい特徴があります。変形してしまうと虫歯の原因となったり、取れてしまったりするので、3~5年で取り替える必要があります。
- 金属アレルギーの原因となる可能性がある:銀歯の成分が唾液によって口の中に溶け出し、知らず知らずのうちに体内に金属が蓄積されてしまいます。今まで症状がなかったとしても、銀歯を長年使用することで金属アレルギーを発症する可能性が高まります。
関連記事:実は危ない銀歯のリスクとは?セラミックとの違いも解説
保険プラスチック(レジン等)
保険プラスチック(レジン等)で虫歯治療を行うメリットとデメリットを紹介します。
保険プラスチック(レジン等)のメリットは次のとおりです。
1.白くて治療した後が目立ちにくい
2.保険診療でできるので安く済む
安く目立ちにくい状態にできるのが、保険プラスチック(レジン等)の良い所です。
一方、デメリットもあります。
1.プラスチックなので、割れやすく耐久性が低い
2.着色汚れで変色しやすい
3.虫歯の大きさによっては対応できない可能性もある
保険プラスチック(レジン等)は耐久性が低いので、大きな範囲の虫歯には対応できないことがあります。また、最初は白い見た目でもだんだん変色してしまうので、周りの歯との色の違いが目立つようになってしまいます。
自費セラミック
自費セラミックで虫歯治療を行うメリットとデメリットを紹介します。
自費セラミックのメリットは次のとおりです。
1.自然な歯の色味を保てる
2.陶材でできているので、汚れや色が付きにくい
3.経年劣化しにくく、10~15年もつ
4.虫歯の再発リスクが低い
セラミック自体は透明ですが、自分の歯の色に合わせて作成できます。また、自費セラミックは経年劣化しにくい素材であり、他の素材と比べて平均寿命が2~3倍あります。
一方、自費セラミックのデメリットは以下の通りです。
1.保険が適用されない(自由診療)
2.強い衝撃があると稀に割れることがある
3.歯を削る処置が発生する
保険が適用されないので費用が高くなりますが、他の素材よりも経年劣化しにくく長持ちするので、トータルで考えるとコストパフォーマンスが良いと感じる方も多いです。
見た目も本物の歯のように美しく、耐久性にも優れているので、審美性・機能性の高い歯を長期使用したいと考える方におすすめです。
銀歯が取れたら早めに歯医者で治療をしましょう
銀歯が取れてしまった時の対処方法・治療方法・銀歯以外の素材での治療方法を紹介しました。銀歯はどうしても噛むことによって変形しやすい特徴があるので、虫歯ができたり取れてしまったりすることが多いというデメリットがあります。何度も銀歯を付けることを避けたいのであれば、セラミックでの治療がおすすめです。
なお、当院でもセラミック治療に対応しており、歯の状態・患者さまのご要望に合わせた審美性・機能性の高いセラミック治療が可能です。
関連記事:しろくま歯科医院のセラミック治療の症例
セラミック治療をご検討中の方は、ぜひしろくま歯科でお気軽にご相談ください。