前歯が欠けることは多くないので、歯科医院をすぐに受診するべきか迷う人も多いのではないでしょうか。
また、前歯が欠けたときの治療がわからず、不安で行けない人もいるでしょう。
そこで、今回は前歯が欠ける原因やすぐに治療が必要な理由について、具体的に解説します。
前歯が欠ける原因
前歯が欠けるのは、事故や転倒で大きな衝撃があることに加え、虫歯や歯ぎしりなどの病気が原因とされているのがほとんどです。
考えられる原因を、具体的に見ていきましょう。
転倒やスポーツ中の衝突などの外傷
前歯が欠ける原因として最も多いのが、転倒やスポーツ中の衝突などの外傷が挙げられます。
転んで歯をコンクリートにぶつける、スポーツ中にボールが歯にあたったなど、強い衝撃が歯に当たることで前歯が欠けることがあります。
外的要因が原因の場合、前歯以外にも口腔内や唇、舌などに傷がつくことも少なくないため、早急に受診しましょう。
虫歯
前歯に虫歯がある場合、放置することで歯が弱くなり少しの衝撃でも欠けることがあります。
虫歯になると、見ただけではわかりづらいですが、歯が大変もろい状態になります。
とくに、神経を抜いた歯は、非常にもろくなり、色も黒くなり、クラウン(冠)という完全に覆うタイプの物を被せないと、強度不足で破折して、抜歯という事態が想定されます。1番は強度、汚れのつきにくさ、長期の審美性では自費セラミック歯がおすすめです。
歯ぎしり
歯ぎしりや食いしばりが原因で、前歯が欠けることも少なくありません。
歯ぎしりや食いしばりで歯にかかる圧力は100㎏以上と言われています。
そのため、いくら人の身体で最も硬いとされている歯でも、常に100㎏の力がかかれば歯の負担が大きくなって欠けやすくなるということです。
酸蝕歯(さんしょくし)
酸蝕歯(さんしょくし)とは、酸性の飲食物を頻繁に摂取したり、胃酸が逆流することでエナメル質が溶けた歯のことをいいます。
酸性の強い食品には、炭酸飲料やジュース、柑橘系の食べ物、アルコール(ワイン、ビール、梅酒など)があり、日頃から口にしている人は注意が必要です。
エナメル質は歯の表面を覆う硬い組織ですが、一度溶けると自然に治らないため、少しの衝撃で歯が欠けやすくなるのです。
前歯が欠けたらすぐに治療が必要な理由
前歯が欠けると虫歯リスクも高まるうえ、生活にも支障をきたすので早めの治療が必要になります。
虫歯リスクが高まる
前歯が欠けることで、歯の内部の「象牙質」が露出することにより虫歯リスクが高まります。
健康な歯は、「白い硬い部分であるエナメル質」の中に「柔らかい象牙質」で形成されています。
しかし、象牙質が露出していると虫歯菌が簡単に侵入しやすくなるうえ、象牙質の下にある骨髄にまで進行すると重症化しやすくなるので早めの治療が必要になります。
噛み合わせが悪くなる
前歯が欠けている状態の食事は、不自然な噛み癖がつきやすくなります。
通常は前歯で食べ物を噛んでいたところ、かばって他の歯を使うことで噛み合わせが悪くなり、別の歯にも悪影響が及ぶ可能性が高くなります。
噛み見た目や滑舌が悪くなる
前歯が欠けていると、当然ですが見た目が気になる人も多いのではないでしょうか。
目立つ場所にある前歯は、欠けていると顔や口元の印象を大きく左右するので、日常生活にも大きく影響する場所です。
また、前歯が欠けているすき間から空気が抜けることで発音や滑舌も悪くなるので、仕事や日常生活にも支障をきたすので早めの治療が必要になるのです。
前歯が欠けたときの応急処置
前歯が欠けたときはなるべく早く歯科医院の受診が必要ですが、タイミングによってはすぐの受診が難しいこともあるでしょう。
そこで、前歯が欠けたときに自分でできる応急処置について紹介します。
ただし、あくまで前歯が欠けたときの応急処置となるので、放置するのは危険です。
一時的なつなぎと理解し、できるだけ早い歯科医院の受診をおすすめします。
欠けた前歯を保存する
欠けた前歯の一部が残っているなら、乾燥させないように保存しておきましょう。
前歯の欠けた部分がある場合、歯の修理に使えるので保管して歯科医院に持参してください。
保存方法は、生理食塩水につけて保管すると乾燥を防げます。
【生理食塩水の作り方】
「水1ℓ」に対して「塩9g」を溶かすことで簡単に作れます。(水に対して塩が0.9%の比率)
※出先などで生理食塩水を作れない場合は、牛乳をいれた袋(もしくはコップ)に欠けた歯を入れることで保管することも可能です。
ただし、水道水で洗う、歯の表面をきれいにするのは逆効果なのでしないよう注意が必要です。
前歯にできるだけ触らない
前歯が欠けた場合は、できるだけ触らないようにしましょう。
気になって指や舌で触りがちですが、傷口から菌が入って虫歯や歯周病などのリスクが高まるので注意が必要です。
また、歯が欠けた部分を触ると痛みを増す可能性もあるので安静にしておくのが良いと言えます。
歯磨き自体は問題ありませんが、前歯が欠けた場所は弱くなっているので普段より優しく磨くようにしてください。
痛みや腫れがある場合は前歯周辺を冷やす
欠けた前歯や、前歯周辺に痛みや腫れがでることもあります。
そういった場合は、氷や濡れたタオルで頬や唇の上から軽く当てると痛みがおさまりやすくなります。
痛みがひどいときは鎮痛剤を飲む
前歯が欠けて痛みが激しい場合は、鎮痛剤を飲むのもおすすめです。
とくに歯が欠けて神経が露出している場合、歯の痛みが強くなるので痛み止めを飲むのが効果的です。
鎮痛剤は歯医者で出された薬のほか、市販されている鎮痛剤でも問題ありません。
前歯が欠けたときの治療
前歯が欠けたときの治療は、歯の欠けた大きさによっても異なります。
小さく欠けた場合は詰め物をすることで比較的簡単に治せますが、大きく欠けた場合は神経を除去する治療を行ったうえで根管治療をするので、治療期間が長くなりやすいのが特徴です。
小さく欠けた場合
小さく前歯が欠けた場合の治療は、痛みがなければプラスチックの白い詰め物をするだけで治療は終わります。
小さく欠けた程度であれば当日中に治すことができ、保険適用なので治療費も安くすむことが多いです。
ただし、強度が強いわけではないので欠けやすかったり、経年劣化する可能性もあるので定期的な受診が必要になります。
大きく欠けた場合
前歯が大きく欠けた場合は、歯の全体に被せ物をする治療がほとんどです。
歯を削って被せ物をする治療では、神経を残せるかどうかで治療の流れが異なります。
神経を残せそうであれば歯の全体に被せ物をしますが、神経を残せない状況であれば神経を除去する治療後に被せ物を装着することになります。
詰め物・被せ物に使用するレジン(プラスチック)と自費セラミック歯の違い
歯の詰め物・被せ物によく使用されるレジンと自費セラミック歯ですが、どちらが良いか迷っている人も多いのではないでしょうか。
レジンと自費セラミック歯の簡単な比較は、以下の通りです。
レジン(プラスチック) | 自費セラミック歯 | |
イメージ | ||
見た目 | 最初はきれいだが、自費セラミック歯に比べると劣る。吸水性があり、膨張もする。半年くらいですぐ黄色くなる。菌も入り、むし歯リスクが高い。 | 天然の歯と比べても遜色がない |
耐久性 | 耐久性は低く変色するので定期的なメンテナンスが必要 | 変色しないので長期間使用が可能 |
治療期間 | 短い | レジンと比べると長め |
治療費用 | 安い ※健康保険適用 | 高額 ※健康保険適用外 |
レジン(プラスチック):安く・早く治療を完了したい人におすすめ
メリット | デメリット |
・保険適用で安く治療できる ・短期間で治療が完了する | ・経年劣化しやすい ・割れたり欠けたりすることがある ・強い力がかかる奥歯には使えない ・自費セラミック歯と比較して審美性(見た目の美しさ)に劣る ・色の黄ばみも早い ・膨張して割れやすい |
レジンの最大のメリットは、保険適用で安く治療ができ、短期間で治療が完了するところです。
ただし、レジンはプラスチック素材でつくられている性質から、食事のたびに水分を吸収して時間経過で見た目が劣化したり割れたりするデメリットがあります。
以下の様に、歯の黄ばみも早く見た目を気にされる方にはオススメできません。
(↓レジンによる歯の黄ばみのイメージ)
また、プラスチックであり、吸水性があり、菌も入る為、色もすぐ黄ばみ、膨張して割れやすく、耐久性と強度安定性が欠如しています。
▼参考:詰め物・被せ物の強度
材料 | 硬さ(HK) |
エナメル質(天然歯・歯の表面) | 370 |
象牙質(天然歯・歯の内部) | 68 |
自費セラミック歯 | 480 |
レジン(プラスチック) | 50~100 |
ジルコニア | 1,250 |
コバルトクロム合金(入れ歯用合金) | 300~400 |
アクリルレジン(入れ歯用合成樹脂) | 16~20 |
さらに、見た目の良さで比較すると自費セラミック歯には勝てないので、見た目にこだわりたい人は自費セラミック歯のほうが適していると言えます。
自費セラミック歯:天然の歯のように美しく、長期間使っても変色しない
メリット | デメリット |
・天然の歯と見分けがつかない美しい見た目が特徴 ・汚れや歯石が付きづらく、長期間つかっても変色しない ・金属アレルギーや奥歯でもどこでも使える ・虫歯の再発リスクが低い | ・保険適用外で費用が高くなりやすい ・治療期間が比較的長くなる |
自費セラミック歯の最大のメリットは、天然の歯と比べても見分けがつかないほど美しい見た目です。
レジンと比べると費用は高めですが、長期間利用できるのでレジンを交換する手間や費用を考えると自費セラミック歯を選択する人が多いです。
また、レジンと異なり、金属アレルギーや歯の場所によって治療できないこともないので、治療しやすいのもメリットと言えます。
しろくま歯科の自費セラミック歯は1人ひとりに合った適切な治療が特徴
「自然の歯と比べても見分けがつかない歯がいい」「長くもつ歯を選択したい」そんな人には、自費セラミック歯での治療がおすすめです。
とくに、前歯は他の歯と比べても目立つため、高くても美しさが長持ちする自費セラミック歯が適しています。
ただし、自費セラミック歯かレジンのどちらが自分に合うか迷っている人も多いでしょう。
目立つ前歯だからこそ、後悔しないように歯科医院とじっくりと納得いくまで相談することが重要です。
しろくま歯科医院では、自費セラミック歯とレジンどちらも対応しているので、セラミック治療のメリットはもちろん、デメリットもご説明したうえで、ご自身に合う治療方針を選べます。
とくに、しろくま歯科医院の自費セラミック歯は、ただ美しいだけではなく、患者さん1人ひとりの歯の形や色、位置、角度、透明感など、他の歯と比べて見分けがつかない美しい仕上がりが特徴です。
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