「ホワイトニング」と聞くと、歯科医院で行うホワイトニングのほかに、ホワイトニング歯磨き粉によるセルフケアや、ホワイトニングサロンでの施術を思い浮かべる方もいるかもしれません。
選択肢が多いからこそ、どの方法を行えばいいのか悩まれる方も多いはずです。当記事では、歯科医院でのホワイトニングとホワイトニングサロンでの施術の違いを解説します。
ホワイトニングするなら歯科医院の方がいい理由
ホワイトニングサロンと歯科医院のどちらかで悩まれる方も多いかと思います。
結論からいうと、ホワイトニングは歯科医院で行うのがおすすめです。
なぜなら、歯科医院では有資格者の歯科医師が在籍しており、漂白効果のある医療用ホワイトニング薬剤を使用できるからです。
加えて、歯科医院でホワイトニングを受ける場合、施術前にホワイトニングの種類やリスクなどを丁寧に説明してもらえます。事前カウンセリングにて、病気・妊娠・体質などによる適応可否の判断、虫歯や歯周病の検査などを総合的に行ってから医療ホワイトニングを行うので安全性も高いです。
また、歯科医院では歯の定期検診などで、継続的に歯の状態を診てもらえます。万が一、ホワイトニング薬剤が歯や口腔内でなんらかの影響を及ぼした場合でも、すぐに適切な治療を行ってもらえます。
この点において、歯科医院であればホワイトニング前後の歯のトラブルを最小限に抑えられます。
一方、ホワイトニングサロンは有資格者の歯科医師が在籍していないため、歯に何か問題が生じた時には対処できません。また、歯科医師だけが使える薬剤や機械が使えないため、歯の着色を落とすことは出来ても、歯を白くすることは出来ないのです。
ホワイトニングサロンと歯科医院の違い
ホワイトニングをするなら歯科医院の方がいいと前述しましたが、ホワイトニングサロンと歯科医院には実際どのような違いがあるのでしょうか。ホワイトニングサロンと歯科医院の違いについて紹介します。
ホワイトニング剤の違い
歯科医院で取り扱われるホワイトニング剤には、過酸化水素という成分が含まれています。過酸化水素には漂白効果があり、歯そのものを白くできます。
過酸化水素は医薬品であるため、歯科医師などの免許を持った人でないと法律上使用できません。歯科医院であれば、漂白効果のあるホワイトニング剤を取り扱えて、なおかつ有資格者にホワイトニング処置を行ってもらえます。
一方、ホワイトニングサロンにおいては過酸化水素のように漂白効果のある成分を使用できません。つまり、ホワイトニングサロンでは、歯に付いている着色を落とすことは出来ても、歯そのものを白くする効果は期待できないのです。
- 生まれつき歯が黄ばんでいる
- 加齢により歯が黄ばんでいる
上記に当てはまる方は、ホワイトニングサロンをおすすめできません。
施術者の違い
ホワイトニングサロンと歯科医院の一番の違いは、「資格を持たないスタッフが行うか、有資格者が施術を行うか」です。
ホワイトニングサロンでは、有資格者の歯科医師が在籍しておらず、基本的にセルフケア、またはスタッフさんに施術してもらう事になります。
ホワイトニングサロンは民間が運営しており、医療機関と異なり有資格者がいないので、医療用のホワイトニング薬剤を扱えません。そのため、歯そのものを白くする効果は期待できません。
クリーニングが受けられるかの違い
歯科医院でホワイトニングを受ける場合、ホワイトニングを行う前に必ずクリーニングを行います。
コーヒーをよく飲む方や喫煙をしている方などは、歯の着色が濃く残りやすいです。
歯科医院であれば、専用の機器や器具を使って、専門的なクリーニングを行い、上記のような汚れや着色をしっかり除去できます。また、虫歯や歯周病などの予防という意味でも大きな利点があります。
一方、ホワイトニングサロンでホワイトニングを行う場合は、歯科医院のような専門的な機材・設備が用意されておらず、専門的な歯のクリーニングを行えません。
受けられる施術の違い
歯科医院であれば、「オフィスホワイトニング」「ホームホワイトニング」の中から選ぶことができます。
オフィスホワイトニングは、歯科医師が使用できるホワイトニング剤と、専用の機械で光を照射することでホワイトニングする方法です。施術はすべて歯科医師・歯科衛生士にお任せできる手軽さ、また短期間で歯を白くできるといった点がメリットになります。
ホームホワイトニングは、自宅で気軽にホワイトニングできる方法です。ホワイトニングサロンと異なる点は、有資格者の歯科医師監修のもと使用できるため、医療用ホワイトニング剤を使用できる点にあります。自宅にいながら医療用の薬剤を使用できるため、手軽さと効果の高さを両立できる方法となります。また、オフィスホワイトニングと比べて後戻りしにくいという利点もあります。
自宅で行うホワイトニングは面倒なのでは?と思うかもしれませんが、当院ではホワイトニングGoと呼ばれるホワイトニングシステムに対応しており、トレイはパッケージから取り出してすぐに装着できる上に、使い捨てなのでお手入れの手間が省けます。
「自宅でホワイトニングをやるのは面倒そうだな」と踏み出せなかった方からもご好評いただいております。
一方、ホワイトニングサロンでは、上記のようにニーズにマッチした専門的なホワイトニングを受けることは出来ません。
歯科医院でホワイトニングを行うメリットは?
続いて、ホワイトニングを歯科医院で行うメリットについて解説します。医療機関だからこそ得られるメリットを見ていきましょう。
健康上のリスクに配慮した施術で安全性が高い
ホワイトニングを歯科医院で受ける場合、初めに歯や歯茎の状態をチェックします。歯茎が腫れていたり、虫歯があったりと、なんらかの問題が起きている状態でホワイトニングを行うと、ホワイトニング後に歯が染みたり歯茎が腫れるなど、健康上のリスクを伴います。
そのため、歯の健康状態を確認して問題が生じていた場合は、歯の治療を優先します。しっかりと治療を行い、歯や歯茎を健康な状態にしてからホワイトニングを行うので安全性が高いです。
歯の内部から白くできる
前述の通り、民間企業が運営するホワイトニングサロンはあくまでも「歯のくすみ・汚れを落とす」処置になります。そのため、歯そのものを白くすることはできません。
また、市販のホワイトニング歯磨き粉でセルフケアされている方もいらっしゃいますが、多くの場合「研磨剤」が使用されています。研磨剤は文字通り歯を研磨する働きがあります。研磨剤を過度に使用すると歯の表面(エナメル質)が削れてしまいます。その結果、歯の内部(象牙質)の黄色い部分が透けて見えるようになり、返って歯が黄ばんで見える恐れもあります。
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一方、歯科医院で行うホワイトニングは、有資格者しか使用できない医療用のホワイトニング薬剤を用いて、歯の内部から白くすることができます。「生まれつき歯が黄ばんでいる」「加齢とともに歯が黄ばんできた」という方も歯を白くできるといった利点があります。
専門的な施術が受けられる
歯科医院でホワイトニングを行う一番のメリットは、なんといっても専門的な施術が受けられる点です。有資格者であるプロが施術を行うため、安心して任せられます。
ホワイトニングを行う前から歯の健康状態を確認し、必要な治療を実施したうえでホワイトニングしてもらえるのも安心ポイントです。歯や歯茎の不安がある方や、初めてのホワイトニングで不安を感じている方も、施術後の過ごし方やケアの仕方などを教えてもらえます。
まとめ
ホワイトニングは歯科医院の方がいいと言われる理由と、ホワイトニングサロンとの違いについて解説しました。
ホワイトニングサロンは安価で気軽に通えますが、有資格者の歯科医師がおらず、歯を根本的に白くすることは出来ません。
安全に効果的に歯を白くしたいという方は、歯科医院でのホワイトニングがおすすめです。万が一、歯に異常が起きた場合でも治療を施してもらえ、相談できる安心感もあります。
なお、当院(しろくま歯科医院)でも、歯の着色・黄ばみでお悩みの方から数多くのご相談をいただいております。
当院ではホワイトニングに限らず、患者さまのお口の状況やニーズを踏まえて、適切な治療を提案させていただきます(以下は治療メニューの一例になります)。
- 歯のクリーニング……歯の着色を落とし、歯が持つ本来の白さを取り戻します
- ホワイトニング……専用の薬剤を用いて理想的な歯の白さを実現します
- 白い詰め物・被せ物……審美性・機能性に優れた補綴物により、歯を白くキレイに治します。
ホワイトニングに関しても、毎月多くの患者様にご来院いただいております。(※以下はホワイトニングの症例です)
患者さま | 20代女性 |
ご要望 | 歯を白くしたい |
治療内容 | ホームホワイトニングにて、上下ホワイトニングトレーの型取りをして、ご自宅で、1日2時間ホワイトニング材をトレーに持ってはめる。1週間繰り返して、白くなりました。 |
治療期間 | 数日~2週間 |
リスク副作用 | ・薬剤過敏な方、アレルギーや虫歯がある方、妊娠中の方、重度の歯周病の方、知覚過敏の方、エナメル質や象牙質形成不全がある方はホワイトニングできないケースがある。 ・人工の歯は色が変わらない ・無カタラーゼ症等の病気がある方はできない※歯科医師と十分に相談する必要があります。 ・セラミック歯を被せた色ほどにはならない ・数ヶ月すると後戻りをする。 ・美容に含まれる為、医療費控除対象外 ・トレーは専用の洗浄材に毎日つけて消毒する |
費用は16,500円~55,000円(税込)で、ホワイトニングの種類により異なります。安全面に配慮した医療用ホワイトニングをお探しの方は、まずはお気軽にご相談ください。